二千年の神隠し

我が地球


 
 
◎UFOは記憶を消す


 
僕は異常とも思える程UFOに興味を持っていた。この異常さは何故なのか分からなかった。  友人とUFOの話をする時は「宇宙は広い百四十億年の歴史もある。他の惑星からUFOが地球へ来ようと不思議ではないが現実的ではない」と一応は否定した。

 ある日のこと、UFO関連の本を読んでいた時、訳の分からない衝撃が脳裏を直撃し、突如としてUFOへ乗っていた記憶が蘇った。
 雲の合間から数本の陽が射す〝天使の椅子〟が脳裏を直撃するような衝撃! UFO記憶の封印が解かれた瞬間!
『夢のように思っていたこと、あれもこれも本当だったのか 僕がUFOに乗っていたのか』・・・天地が入れ替わったような感覚が全身を包む。
〝空を見て 大地を見て 街を見る〟何処も何も変っていない、自分だけが変ったのか?

 寝て起きれば思い出し、記憶を消された悔しさと地球文明との格差、自分が巻き込まれた情けなさにこれでもかと思う位の涙が出る。
『自分の起こってしまったことだ とにかく全て思い出さなければならない』
『文明差がありすぎ如何することもできない こんな現実があったのだ UFOに対抗することなど僕にできる訳がなない』
その諦めが気持を沈静化させUFOの記憶を過去へ過去へと遡らせていた。
『陽が漏れた天使の椅子が動き出す 記憶を載せて揺らしている』
 わが家から望む八ヶ岳連峰は何が起ころうと微動だにしない。

     
  記憶は僕がまだ母親の胎内にいる時まで遡っていた。
僕は胎内で「あそこへ行って あそこが好きだから」と母によく話しかけた。
家裏の清水の流れる小川のせせらぎの心地よさ、いつまでも此処に居て欲しかった。
「また来た」と近所の人の悪口が胎内に居て聞こえてきた。
母は「悪く言われるからもう行かない」と言い小川に行くのは少しだけになった。
胎内は居心地良く動いて遊んでいたが胎児の成長は早く胎内が狭くなってきた。
「へその緒が巻きついて死んでしまう だから動かないで」と母が言い胎内遊びを止めさせた。
母と話しをするのが楽しい「早く生まれて」と言っている。
 そんな頃「生まれたら お前は宇宙船へ乗るのだ」と母でない別の声が聞こえた。
母は「まだ生まれる前なのに 決めるのは可哀そう」と返していた。
胎内で不安になり泣きそうだ、涙が出てきた。
 それを母が心配し「今ではないから大丈夫」と僕に話しかける。母は胎内の僕が不安にならないように動揺を隠し僕を安心させていた。
 その後も僕が眠くなり虚ろ空ろしている間に母は宇宙船から連続的に話しかけられ、とうとう根負けしてしまったのだ。
「宇宙船の目的に 身を委ねろ」と聞こえた。
 神ではない、後にUFOといわれる宇宙船の人達が胎児の僕の人生を決めてしまった。母は「誰もが何れかの人生を歩む」と宇宙船に指示された通り僕に言う。
『胎内で不思議な声に決められた 早過ぎないか 僕の宿命』


◎宇宙船に乗る

 0歳、一歳、二歳とUFOの二人が夜中に家の中まで来て僕の体検査をしていた。
宇宙船の人から「次からは家には来ないから宇宙船に乗りにきなさい」と云われ三歳になり、宇宙船に乗る夜がきた。
 眠りに入っていたが何かに起こされ着替えをして潜り戸から外に出た。宇宙船はわが家近くの〝焼き場〟(今は無い)の横、葡萄棚のある池の上から乗れと言う。
「池に落ちれば怖いから嫌だ」と言っても応じてくれない。 強引に宇宙船に上げられ僕は三歳で初めて宇宙船へ乗った。
 その後、UFOへ三回目に乗った幼年期の事、UFOの中に子供がいる。以前、子供は居なかったのにと思いながら親しみを感じた。
 その子は三歳と云い僕は四歳、UFOの方に「友達になれ」と云われ友達になった。
友達に「その人がお父さんなの」と訊けばUFOの人が答え「UFOに居る人は皆同じだ 誰の親でも誰の子でもない」との返事である。
 四歳とは言え『親でも子でもない』という不思議な返事に「皆そうなのか?」と思い、UFOの中の人達をキョロキョロと見渡したがUFOの人たちは知らん顔で仕事をしている。
 名前を訊いた処「名前は無い」と云う。この返事にも驚いた。
【名前に付いて何年も後になり、UFO惑星全人民は〝記号と番号〟で管理され地球のような個人名は無く超能力で識別すると知った】
 UFOに乗る都度、友達とお互い少しずつ成長しているのが嬉しかった。
UFOの人から「お前の友達はもう直ぐ学校へ行くから会えなくなる」と知らされた。
五歳から学校へ行くUFO惑星の子供たち、地球とは全く異なる教育システムである。
惑星は特殊な教育法を開発し五歳から全員が五年間の教育を受けるのだ。
「地球だってやれば出来る 我々と同じ超能力が身に付く」とUFOの人が云う。

 友達が学校へ行った五年間、会えなかった友は変ってしまった。
特殊教育で超能力を身に付けた友人は一時期、超能力の無い僕を見下し自分の優越性を自慢して僕を嫌な気分にさせた。それも少し後には云わなくなり謝罪の意思を示した。
『ごめんなさい仕方ないことだ』との気持ちが伝わって来て友人関係は続いたのである。

 二十年位経過した時の事、UFOの友人は三一〇年後には大統領になると聞いた。
UFOの惑星の人達は三五〇年から四〇〇年の長寿命であり不思議はない。
 こんなに早く決まっている不思議、UFOの人達に大統領の基準は何か聞いても誰も答えなかったが能力主義とは思えない。
『誰の親でも誰の子でもない』なら大統領のご子息ではないのだから世襲ではない。 
「大統領制を批判したと取られたくないから 説明はできない」と云う。
UFOの人達は地球とは異なる惑星の大統領制度に触れたくないのだ。
「惑星の大統領は少し前に代わったばかり 新大統領に期待している」と云っている。
言論の自由や思想は制限されている様子で文明が発達しても惑星には不満がある。



 地球に対しUFOの惑星から出た命令を担当UFOが遂行する。
超高度文明の圧倒的優位を背景にした惑星の要求は可也大きく、UFOとの秘密協定があるCIAが妥協を拒否している。
『妥協しなければ甚大な被害が地球にもたらされる』と分っていてもUFOの要求にCIAは対応する事ができない。
「将来 大統領になる君なら過大要求の取り消しを大統領に頼めないか」とUFOの友人に真剣に頼んだ。
「後になる大統領であっても今の身分は惑星体制の中で組織の一員に過ぎない 権限などなく大統領の命令には背けない」と友人は答えた。
「地球でも僕が四〇〇年を生きるなら僕も地球の大統領なる 君がUFOの惑星大統領に成れば友好的に協定を結ぶ事が出来るではないか」
 友人は僕の考えに困っている。僕が地球の大統領に成ろうと友好協定はできないのだ。矢張り地球は永久に対等にならない存在という事だ。

 いつの間にか友人に会えず気にしていた処、UFOの人から「お前の友人は母船の配置になった 配置換えを一度したなら本人も戻る気持ちは無いと云っている」と聞かされた。
 組織は母船が上位、出世コースは地球に似ていて友人もその都度地位が上がりそれが地球の軍隊組織を思わせる。
 UFOで友に会えていた時は気にしなかったが会えない今、友人の事は気になが、どうあろうと友人と僕の立場は〝支配する者と支配される者〟と大きな違いがある。
『文明の隔たりのあるこの世界 天を仰げば地球が悲しい』


◎UFOの宿命雲

 小学三年生の頃、母から聞いた僕が生まれた不思議な理由があった。
これだけは本人に伝えておきたいと思ったようだ。
 太平洋戦争が激しくなる中、母が宿場町の家に嫁いでから聞こえた不思議な声は特異な内容であった。
「今日の夜 子供をつくれと聞こえ できた子がお前だ」と言う。
「誰から言われた」と聞いても母は曖昧で僕の父や祖父母でもないのだ。
「お前には変な事が起こるけど そういう子なら不思議はない」と母は平然と言う。
いつもは心配してくれるのに今日は普段と違う母に不満があった。

 僕が小学五年生の時「また変な雲が出た」と母が言う。
「あの雲を見てはいけない 悪い事が起こる」ときつく言い寂しそうであった。
他の雲と変らないが形は良い「何故見ていけないか」と聞き返す。
「他の雲が動かないのに一つだけ動く雲は見てはいけない」と言う。僕はその意味を直ぐには理解できなかった。
「宿命だ!」・・・絞り出すように声をだして母は訳の分からない事を言っている。
母の注意を聞き入れなかったので急に悪くなった雰囲気、その雲は他の雲とは動きが異なり逆の方向へ流れている。
注意を聞き入れない僕に「責任はお前が取るようになる」と母は悲しそうだ。
「宇宙船だ!」苦しさから声を出すような母の『宇宙船』の言葉に僕も記憶が繋がり「雲が出たなら家や洞窟に居ても同じだ 宇宙船が来た以上 逃れる事はできない!」と反論した。

 青草に座って母が泣いている・・・泣きながら宇宙船に抗議している。
いつまでも抗議を続けている間、僕は〝宿命の雲〟を見続けていた。
 その雲が山陰に入りその空は太陽が沈んだばかりの場所より明るく輝いていた。
そんな光景は以前も一人で見た事があり宇宙船がその都度来ていたのだ。
少しずつ母は宇宙船に説得されている様子で冷静になってきた。
人間を円盤型宇宙船に乗せる前日の午後から夕方、大きな宇宙船が来る。
宇宙船はカモフラージュし楕円雲に見せて人間をコントロールし翌日は宇宙船に乗せ、記憶を消される一日がある。その事を母は心配している。 

 翌日、宇宙船に乗り「前日のように 地上の僕達と宇宙船が会話をする時間が長くなれば 困るのではないか」と訊ねた処「宇宙船にはあらゆる会話が用意され 自動会話が出来るシステムがある」と云った。

 宇宙船に乗る前は他にも前兆があり、家の中で〝ガシャン、ガシャン〟と大きな音がする。無視していれば鍋や蓋が飛びこれでもかと飛び回りぶつかり合う。 母は大丈夫だと気にしない、人に当たる事はないと言う。
 これは初めての事ではなく以前も何回かあり母は「もう直ぐ宇宙船が来るから 誰が遣ったか必ず聞くように」と僕に言った。
 宇宙船に乗り鍋や蓋が飛んだ事を訊ねた処「翌日 宇宙船へ乗る事を知らせる為 我々が遣った」と平然と云っている。
「急にすごい音がして鍋や蓋が飛ぶから怖い 次からしないでほしい」と宇宙船の人に頼み、その後、家の中で何回も見た鍋や蓋が飛ぶ事は起こらなかった。


◎神かくしと宇宙船

 我が家では僕の小さい頃から「神かくしに遇わないようにしなさい」と母がよく言っていた。
 小学生の高学年に成ると母の口癖であり『神隠かくし』を言う声は上擦り薄暗くなってから家に帰れば母は心配し「神かくしに遇う」ときつく叱る。
 僕は夕食前の七時頃に家の外へ出たい気持ちになり何気なく十分くらい家の外に出た。しかし、家に戻れば八時であり一時間が過ぎて家族の食事は終っていた。
 動かす筈のない柱時計の針が一時間進んでいる。何回も柱時計の針を見ながら一時間も進んだ事を何故かと不思議に思っていた。
「神かくしに遇った!」と母の大きな声が震え家の中で何かが起ったようだ。
兄弟姉妹は部屋に入ったきり出て来ない。
 母が心配していた〝神かくし〟僕は少し外に出ただけと思っていた。
妹が部屋から出て来て母は「部屋から出てはいけない」と叱っている。 神かくしを心配していたのだ。
 一日が経過していたのに僕は気付いていない。母は神かくしに遇ったと何回も叱る。 家から十分くらい外に出て戻ったのに、その事が神かくしといつまでも母は治まらない。      柱時計はゼンマイを巻けば三十日位動き手を付ける事はない。反論の基は柱時計だけだ。
「時計では一時間だけだ 何処の家にもある事ではないか」と反論した。家の中はいつもと違う雰囲気に成っていたが少しずつ僕と母は冷静になる。
「この家に一体何があったのだ」と聞けば「お前にあった!」と母の言葉がきつい。
「昨夜家を出て 今帰ってきた」と言いながら身体から力が抜けた様子だ。
 十分間だけ外に出て直ぐ戻ったのに柱時計は一時間が経過し理由が分らなかった。
外に出た十分の時間が一時間? いや、それも違う実際には一日が過ぎていたのだ。
 晩ご飯は残り物でしかないと言い帰ってきたから良いという。

 
 母だけが分かっていた〝宇宙船の神かくし〟「神かくしに遇っても本人は気付かない そういうもの」と母はポツリと言い座っていた。
 この〝宇宙船の神かくし〟の間、人間はコントロールされ帰りには記憶を消されてしまう。そのことは母以外に知る由もなかった。
「一日で帰ってくるのも神かくし 生涯帰れない子供もいる」と母は言い「一日と一週間と帰れない 神かくしには三つある」と話した。
「三日はないのか」と母に聞いた。
「三日はない・・・用のない子供を勝手に連れて行く事はしない」と言い「神かくしに遇い帰って来ない子供たちは今どうしてしているのか」と心配している。
 宇宙船に記憶を消されたとは知らない僕は翌日、近所の友達に「神かくしって知っているか」と聞いてみたが戸惑った気の無い返事が返ってくる。
隣家の同級生に聞きに行けば「物語にあった」と期待と違う変な答えだ。
 学校で他の同級生に「神かくしって知っているか?」としつこく聞き回った。
小学生も五年になれば面子があり返事を逸らし知らないとは言わない。更に家が遠くの同級生に聞けば迷惑そうに返事をし、それを見ていた他の同級生は僕が近づけば逃げて行く・・・もう学校で聞く事は諦めた。

 学校から帰り向かいの家に行き神かくしがあるか聞いてみた。
「初めて聞いた」と言う返事は、子供に無難に答えたという印象だった。
 母の旧友が我が家の裏向かいに嫁いで居て「あの家は昔から神かくしがある」と言っていた。
母が嫁ぐ前から実家の〝神かくし〟を母の実家の周りが知っていたのだ。
「神かくしを自分が持って嫁に来た」そう言いながら深刻に考え込む母の姿はいつも寂しい。
他家ない我が家だけの〝神かくし〟良し悪しは僕には分らなかった。
我が家では〝逃れられない宇宙船の神かくし〟に翻弄されていた。ただ単に戒めで言う〝神かくし〟そんな言葉とは違い、現実に起こっていたのである。

 この頃を過ぎると空飛ぶ円盤や宇宙船を〝UFO(ユーホウ)〟と言うようになった。その後、年代が経過する都度、兄弟の子や孫まで〝UFOの神かくし〟が続いていると確信する事が起こり矢張り子供たちは記憶を消されていた。
 僕の甥は高校生の時、JA富士見でバイトをして翌日の夜まで帰って来なかったと親達が笑いながら言い特に心配もしている様子もない。
「何処に居た?」聞いても本人は分からない。
記憶を消されているから答えに困り聞かないで欲しいと親に言っている。
自分の事であっても記憶を消されているから何を言われているのか分からないのである。
 母は心配そうに「神かくしではないか」と言いだした。神かくしを知らない家族がそれは違うと笑っている。
母は〝UFOの神かくし〟をそれ以上言えなくなり孤立して寂しそうだ。
 僕はピンと来て甥を呼び二人きりで「思い出せ」と細部まで根ほり葉ほり聞いた。
甥は当日の行動を辿り思い出しながら「その場所まで行ってUFOへ乗った」と口にした。
 そこでUFOの話は終りにしなければならない、本人が動揺しかけ更に大変な動揺に陥らないようにと「今後 UFOの話はしてはならない」と口止めして安心させた。

 それから更に何年も経過した頃、姪から電話があり「私の子供を誰が預かった? 伯父さん預からなかった」と聞かれた。
四歳前後の男児三人の子供たちが一昼夜も居なかったと言い、姪の親や姪の旦那の親も預からず不思議だけで過ぎた一日があった。
 不明の出来事に僕は感じる処があり早くと思いながら三ヶ月が経過してしまった。
姪に電話で子供たちが一日居なかった原因を聞いた処、既に姪はその事を忘れてしまった様子でUFOにコントロールされてしまったのだ。
 時間が経ち過ぎては子供たちが忘れてしまうと思い姪の子供と話しをするために家に行き、三人の男の子のうち五歳の長男に姪の居ない時に聞いてみると五歳の長男『虎瞳』は予想通りUFOに乗った事を思い出した。その時の会話は次の通りであった。

「虎瞳、少し前  夜から一日いなかったけど 何処へ行っていた?」
    『・・・・・・・・・・・・三人で外へ行った』

「玄関のドアは虎瞳が開けたのか?」
    『僕は開ける事が出来るけど ドアは開いていた』

「庭へ出たのか?」
   『道へ出た』

「道をどちらへ行った? 下の広い所まで歩いたのか?」
   『・・・・・上の方へ歩いた 道が分かれて曲がる広い所でUFOに乗った』

「UFOには虎瞳が先に乗ったのか?」
   『一番下の陵侍が心配だったけど最初に乗せられ 次に聖羅が乗り 僕は後から
    乗った』

「そうか それならいいんだ」

 ドアの施錠はUFOから外す事ができ子供たちが家から外に出易くするのだ。
陵侍は歩き始めたばかりで真直ぐ歩けない幼児でUFOへ乗るようにコントロールされ親達も心配しないようにコントロールされている。そのUFOの宿命を人間は防ぐ事ができない。
 後日、思い直して姪に話し、姪はUFOの中の事を子供たちに聞き五歳の虎瞳はUFOの中の事を話してくれたと言っていた。

 小学生になった虎瞳はある日「僕はUFOに乗っているから偉いんでしょう」と言った。予想しない言葉に驚いてしまったがUFOに乗った事を覚えていたのが嬉しかった。そして「誰も信用しない事だから 他でUFOへ乗ったと言ってはいけないよ」と口止めした。
 しかし、事実を子供に口止めする事は心が締め付けられ、とっても辛い口止めであった。
長男の虎瞳には「UFOに乗ったらUFOの友人をつくりなさい 沢山の質問をしなさい UFOの惑星や他の惑星に連れて行って貰いなさい」と言い聞かせた。
 子供たちが一日行方不明の原因を何処の親達も特に調べる事なく心配もしないのはUFOが親達の意思や環境までコントロールしているからだ。
UFOの神かくしの一日や一週間はUFOに乗った事で本人が困らないように周囲の生活環境をUFOが整える。
それを簡単に行えるのが超高度な文明を持つUFOの惑星の人達である。
 自分は気付かない神かくし、UFOに乗った殆どの人間が記憶を消され帰される。
人間は催眠術にかけられた如くコントロールされ一日が過ぎてしまう。
 それを目の当たりにしている母はUFOの事ある毎に「UFOの宿命は自分が持って嫁に来た」と泣いている。
「誰の責任でもない 仕方ない事だ」と言って何回も話しかけてみたが無視する如く母は自分を責めて涙を流していた。
 UFOの惑星は惑星人民の存続、惑星体制や惑星文化の存続等の諸々を任務とし惑星の最前線UFOが地球で人間を活用し惑星を成り立たせている。
 今日もUFOの超高度文明が魔法の〝神かくし〟をし人間を思いのままに操るのだ。
神かくしに遇う人間は記憶を消され何事も無かったように地上に帰され気付かない。
地球は一万年も進んでいるUFO文明に干渉され逃れる事はできない。誰が知ろうと知るまいと二千年続くUFOの宿命は氏を増やして末代まで続くのだ。
 
 
 
◎ミステリーサークル 

 中学一年の時の事、UFOの人達に今で言うミステリーサークルを作る処を見たいと
頼み「見せてやるから学校の休み前日には必ず来い」と云われていた。
 休日の前日、夜の九時に家を出てミステリーサークルを作る場所へ向かっていた。いつの間にか中学の先輩が僕の後について来ている。
先輩を帰らせようと旧甲州街道の分岐点から左の伊那街道方面へ少し歩き国道を右へ曲がり更に街灯もない田舎道へ入ったが先輩はついて来る。
旧、甲州街道四十九里塚に隣接する焼け屋敷跡には田園が広がりここで見るのだ。
「先輩を帰せ」とUFOから云われ、帰せなければUFOの人達に叱られる。
「帰ってくれ」何回頼んでも先輩は頑固に「嫌だ」と帰ろうとしない。
UFOは「一人で来いと云った」と何度も怒って始めない。
先輩に「帰ってくれ」と祈るように言っても帰らない。僕の立場なんか知る由もなくどうする事もできない。
 もう見れないかも? 諦めたころ先輩が離れこれで見る事が出来る。
「隠れて見ろ」とUFOから云われハゼ棒を積んだ陰に身を低くした。
 小さくて光るものが稲の上スレスレに飛び廻り直ぐ後に棒状の光が降りてきて一回転して昇りながら消えた。
同じ事が何回か繰り返されたがミステリーサークルが出来たのか暗くて全く分からない。夜も遅くなり明日の朝早く絶対見に行こうと思いながら帰った。
 翌朝、山側の高い場所で田園を見ると小さいが綺麗な円が数個ある。
先輩も矢張り同じく見に行ったと言い綺麗だったと話しにきた。
 昨夜、先輩は帰らずに離れた場所へ行き「そこならば良い」と云われ見ていたと言う。UFOが先輩にも話しかけ場所を変えさせていたのだ。 
 先輩が僕に「今度はいつか教えろ」と聞きにきたが既に僕はUFOの記憶は消されている。
 テレビで外国のミステリーサークルの放映があり見ているうちに記憶が戻った。
こうやって作ると遣りながら尤もらしく作る人達はCIAに依頼されているとUFOの人たちから聞いた。
 UFOはそれを受けて複雑で綺麗なミステリーサークルを作り人間を嘲笑っている。


 UFOが植物を曲げるのに茎を折らず出来るのは動植物が感じる事のない〝熱〟を使っていると説明した。

UFOのミステリーサークルは地球に対するメッセージと云っていたが何のメッセージか訊いても説明はない。
現在は光る事のない方法で更に複雑で幾何学的な〝ミステリー図形〟を作っている。

 ミステリーサークルを作る処を見た数ヶ月後、UFOに乗る為に家を出たのは夜九時過ぎ、近道で先輩の家の前の道を選んだ処、先輩は何処へ行くかとまたついて来た。
 UFOは「宮川を渡れ」と云う。
「以前 宮川で足を怪我したので怖い」と言えば宮川の上を浮かせて渡らせた。
先輩は遠回りして金沢橋を渡るのが見える。
僕は宮川を渡った農地の先の湿地の所まで行き上空に待っていたUFOに乗せられた。
そこは前日、見ておけと云われ見に行った場所で普段より水は多い。
 後日、先輩が僕を連れて行き「宮川を浮いて渡った」と僕に言い、UFOには此処から乗ったと指を差し説明する。
消された記憶も先輩にくどくど言われながら思い出す事が出来た。

 UFOからは注意され、これ以上先輩が来れば叱られる。
次から僕の後をつけるなと何度も頼むが「いやだ」と先輩は聞き入れず「次からもついて行って不思議な事を見たい」と困らせ次の〝不思議な事〟に期待している様子だ。
 UFOは「金沢小学校の上側の小校庭(現在は無い)に乗る場所を変える」と伝えてきたが「金沢中学校の登り口が近くて良い」と希望し中学校の登り口に決まった。
 UFOに乗る夜、中学校近くに住む同級生、二郎君の家の脇道を通った。二郎君の家は中学校も周辺道路も見渡せる位置にある。
僕は中学校の登り口の三叉路からUFOに乗った。この時UFOに乗るところを二郎君に見られていたのだ。
 次のUFOに乗る夜の事、UFOから「前回 UFOに上げられている上空を二郎君に見らたから 中学校裏側の石畑山の陰に隠れる更に上まで来い」と伝えてきた。
「石畑山は知らない」と答えると「お前達が言う天狗山の事だ」と云う。
 天狗山の名称は小学生の時に僕達のクラスが間違った名称で聞きそのままの通称であった。
本当の名称は石畑山であり後に天狗山は他に在ると知った。 
 UFOは僕達の通称、天狗山の裏側で夜間は危険な堤や周辺、UFOへ乗る場所の夢を何回も見せ、街灯も家の灯りも無い場所を歩かなければならない事で心配させないようにして次からも通称天狗山(石畑山・現在の金沢公園)の裏側まで歩き何回もUFOに乗せられていた。
 先輩は当日のUFOと僕の予定をいつの間にか知り得ていた。「昨夜待っていたのに来なかった 如何して来なかったのか?」と聞く。
先輩は僕がUFOに乗る夜のことを何回もしつこく聞き出そうとしていたが、既に僕は記憶を消され、尚且つ中学校は逆の方向、先輩の家の前は通らない。

 中学二年の夏休みUFOの惑星へ行く事など知らされていなかった。
記憶を消され短い夏休みを不思議に思ったがそれ以上考える事はなかった。一週間何しに行って何見たか思い出す事もなかった。
 母は「明日までに家に戻って来なければ警察に行方不明と届けようとした」と言う。「何日も居ないなら 何故早く警察に届けないか 僕がどうなっても良いのか」と記憶も無いのに強く言った。
母は困った様子で「そうではない もう言ってはいけない」と話を終らせた。
 記憶の戻った今、母はUFOの神かくしを言いたくない様子であったと思い、神かくしの日数からUFOの惑星へ行って来たと分かった。
 

◎アインシュタイン 

 僕が七歳頃の事、円盤型UFO内の通路に座っている小父さんが居た。邪魔だと思いながら何回も通り邪魔な人が居るとUFOの人に訴えた。
UFOの人は「アインシュタインを知っているか あれはアインシュタインだ」と云う。雑誌で見ていた有名な科学者が余りにも雑誌と違う汚い服装をし髪ボウボウで尚更驚いた。 
   僕は子供ながら異様に思い「何故 偉い人がUFOに居るのか」と訊いた。
「アインシュタインの相対性理論はUFOで教えた 相対性理論は宇宙では通用しないから教えても問題ない まだ他に教わろうとしているが迷惑だ」と云って無視していた。
そして「地球上の偉人は偶然には現れない 我々が関与している」と云っていた。
 UFOは生物もどきのチップを人間に埋め込み所在の感知が出来るようにしている。
それは特定の人間を管理し活用する為の物でアインシュタインも生物似チップを埋め込まれUFOに感知されていた。
 この生物似チップは鼻の奥へ埋め込まれるが子供は鼻が小さく鼻孔からインプットはできず口を拡げ顔面をはがし鼻の奥へインプットする方法で何回か埋められた。
その後、成長してくれば鼻孔から奥へ埋むが、鼻は歪み顔面が歪み激痛があり鏡を見ていると顔全体に形相が変っていた。
 中学生の時は額に埋められ三十歳前後には後頭部に埋められた。この二つの方法は痛さを伴わず簡単に処置ができ手で触れば五ミリ~十ミリ径の凸状の物が埋められている。
 日本人が顔や頭を手で触り小豆位で凸状のものが皮膚下にあればUFOに乗せられている可能性は高く、後にUFOに乗っている可能性の何人かに凸状がある事を確認した。


◎UFO医学

 昭和時代の後期からであろうか、UFOの人達を地球では『グレイ』と言っている。
 そのUFOグレイに見ろと云われ人間の首付近の血管を二十㎝位取り出して脂肪を棒状の物で押し出す処を見た。
大豆三個分位の脂肪が出てきて人間は誰でもそうなのかと驚いた。
その血管を元に戻し特に手当しなくても痕跡は残らず治してしまう。
 「血管に脂肪がそんなに有るのなら 僕も脂肪を除去してほしい」とUFOグレイに頼んでみたが「お前はまだ大丈夫だ」と云われ除去はして貰えなかった。
 更に、頭蓋骨を外して脳を目視検査する。終れば頭蓋骨を元にして傷跡も残さない超高度医療である。

 僕が家に居た時の事、頭の芯に激痛だ・・・頭の真ん中とハッキリ分かり尋常ではない。
脳溢血かも知れないと思いながら死んでも良いと激痛の中で寝た。
三時間位経過し死なずに目覚め、痛みは無くなり生きていたと思った。
 UFOから「治して遣るから待て」と伝えてきたので「今直ぐ来てほしい」と頼んだ処「少し待て」と云われその少しは三日位だろうと思い待っていた。
 しかし、UFOは一週間も経ってから「すぐ来い」と云い内心〝遅すぎる〟と不満であったがとにかく早くと外に出てUFOに上げられた。 
 脳に出た血液の除去をしながらグレイは「古い出血の痕があり固まっている 血塊を全部取るのは危険だ 影響はないからそのままにする」と、血塊はそのままにした。
 そういえば中学生の時に頭の芯の激痛の事を思い出した。
その時も脳溢血を起こし大分後になり血液の除去をして貰ったが残っていたのだ。
 僕は後に脳溢血を起すかも知れないと思い「危ない血管は破れる前に処置してほしい」と頼み日常生活に影響のない血管全てに処置して貰った。

 その後日、UFOへ乗ってきた者は全員の血液を採ると知らされ血圧が下がるから脳溢血も無くなるだろうと思い多少の心配をしながら〝良し〟とした。
「男子二千㏄ 女子千㏄を採血する」とグレイが説明したので驚いて直ぐ反対した。 二千㏄も採血されれば人間は危険な状態になる。
「最近の日赤献血は四百㏄だから多くも五百㏄にしてほしい」と交渉した。UFOグレイは「千㏄にする」と譲って云い僕の言い分は聞き入れない不安な採血だ。
まだ話しをしたいのに採血者が持ってきた容器には二千㏄は楽に入る。
交渉相手は部屋から出て行ったが意志の疎通は出来ている筈だ。採血者は素知らぬ態度で二千㏄を採血した。
 視野が周りから暗くなり狭くなってゆく、動けない、もう駄目か、死ぬかも知れない。 異変を感じたのか交渉したUFOグレイが早足で戻ってきて血液を戻せと指示し直ぐ血液は千㏄が戻された。
 UFOの中では抵抗できない人間達、何人も立つ事ができなくなり床に座っている。
 超能力があるグレイには結果が分かるのに最初の組織命令に従っている。
超高度の文明にあった不徹底なのか故意なのか、地球人のミスなら納得するが超能力のあるUFOグレイの不徹底は理解し難い不可解な出来事だ。 「UFOが人間を誘拐し帰さないのは何の為か? 血液が必要なら日本で協力を呼びかけ提供する」と言えば「違う」と云う。
「心臓や脳が必要なのか」と訊いても「そうではない 云えば人間は怖がるから」と云ったから矢張り身体全部を必要とし誘拐して使うのだ。

 UFOの惑星の人達(グレイ)は口から物を食する文化は無くなり養分のみを摂取する。 それが飛躍的な長寿を作り出しその養分を地球に求めに来る。
 農産物・魚類・動物を求めるのではなく地球の思考など全く通用しない手法を使い人間幼児や牛を確保し純粋な養分だけ抽出して摂取する。
不要素は微量の汗となって排出され身体に残る事はない。
 UFOグレイは身体を風呂やシャワーで洗い流す事はしない為、非常に強い悪臭であり人間の嗅覚を止めて貰わないとUFOには乗れず、その臭いは人間の排出物を便壺に貯め時間を経過させ腐臭を増加させた強悪臭と全く同じである。
 UFOグレイの嗅覚について知識として知りたかったが訊きづらく黙っていた。
 日本の医師(諏訪中央病院)から「腸がねじれている」と診断された後の事であった。UFOで「腸を一旦外に出す」と云いUFO医学だから大丈夫と頭を起し見ていた。
 下腹部の体毛を手の平で簡単に除去しヘソから下へは指だけで切開し、腸を台の上に出して腸の捩じれを話した後、腸は雑に体内へ戻した・・・ 治療したのだろうか?
 後日、病院の医師は「腸の捩じれが治っている」と不思議がっていた。

 僕は家で眼底出血してUFOから「治すから それまでうつ伏せに寝ろ」と指示された。
何ともないので二日位で仰向けに寝て仕事にも行っていた。
 UFOは五日後に僕を乗せ治療を始めたが「UFO医学でもうつ伏せに寝なかった治療は難しい」と云い代用の液体入れ完了した。
 ヘルニアも治して貰いたいと頼んだ処、時間がないから後日という事になった。
 その後日、ヘルニア治療をして貰う夜になりUFOでは人工椎間板を入れると思っていた。しかし、UFOグレイは「人間の椎間板は作っていない」と云い「潰れてずれた椎間板を修正治療したから四十年は大丈夫だ」と説明した。
 エイズの発生をマスコミが報道する回数が多くなり「UFOは何でも出来るのなら 地球では治せないエイズを治せるのか」と訊いた。
「エイズは発生したばかりで今は治せない 数ヶ月後に治療法に取り掛かるから 直ぐ治せるようになる」 「エイズはUFOの地球人誘拐阻止の為 CIAがエイズウィルスを作り感染させた」と云う。
 細菌兵器でも使う前にワクチン作りストックするのにCIAは早まった事をした。
 UFOは地球より一万年文明が進みエイズか否か直ぐ判定できるのにCIAは承知しながらエイズウィルスを作り感染させたのだ。
UFOでも今直ぐ治せない病原体を作るCIAは変に凄い。
 僕はエイズ報道の前からフィリピ―ナと遊ぶことが多くなっていたが諏訪地方にもフィリピーナの患者がいると報道され遊ぶことはやめた。
 それから二年位経過しUFOに乗りエイズは治せるようになったか訊いた処、UFOグレイは「既にエイズは骨髄移植で完治出来るようになっている」と云う。
 YAHOOネットニュースで『二〇一三年七月クアラルンプールでの国際エイズ会議で米ハーバード大学の研究チームは、エイズウィルス(HIV)に感染していた患者二人に骨髄移植を行った処、血液中からHIVが検出されなくなったと発表した』とあった。
 その医療に間違いはない! UFOグレイが30年以上も前に治療法を云っている。

 地球では脳死の後、蘇生する場合もあり延命治療を続けるがUFOの惑星の人達グレイは延命より死を選ぶ。
脳死を一旦すれば脳血管の微細部にまで血液を通わせる事はできなくなりUFOの惑星の人達が身に付けた超能力は使えない。
それは人間レベルに能力が低下し人間レベルになれば奴隷にするとの決まりがある。
 UFOの惑星では人の扱いは受けられなくなり惑星の人達は蘇生を望まず奴隷に成るより死を選ぶのである。
 指などが欠損した場合は元通りに再生させる事が出来ると説明するのでトカゲのシッポみたいだと仲間と笑ったがその頃まだiPS細胞は聞いた事がなかった。
ノーベル賞を受賞した山中教授の細胞活用は地球医学に大いに寄与できる。UFOグレイは「地球の医学倫理は宇宙には通用しない原始的なもだ」と云っていた。
 日本人の放射能被爆の事が気になりグレイに「被爆者から放射能を除去出来るか」と訊いた処「放射能は完全に除去出来るが 完全に除去すれば人間は死んでしまう」と云う。


◎脅迫

 隅田川へ祖母と花火を見に行った五歳の頃のこと、大型打ち上げ花火とは別に見物人が水平に花火をこちらに向けて遣っている。
 普通の花火より光らず綺麗ではない。祖母は「花火ではないピストルだ 戦争が終ってそんなに経ってない ピストルは誰か持っている筈」と言う。
 何だか分からず立っていた所へ正面に火花が飛んで何発か直前で弾け当たらなかった。
祖母に引っ張られ人ごみの中へ紛れ込み逃げ帰った。
 UFOに乗り「我々がお前を守っていた」と知らされ神様が守ったのではなくUFOが僕を守る事が分った。
所在も埋め込みチップが機能し予期する危険から守られている。その後、二十代後半まではCIAに脅迫された事はなかった。

 一九七五年ころ、僕は諏訪市の蓼の海第二団地に住居を移し住んでいた時のこと。近所の主婦は僕がUFOへ乗る処を見たと言い話を聞きたいと来た。
聞かれればその時だけは思い出し状況を説明したのだが主婦は近所の作家で『聖職の碑・アラスカ物語・武田信玄』等の著者、新田次郎氏にUFOと僕の話をした。
 新田次郎氏はテレビに出て一般には信用されないのにUFOに乗っている人がいると喋ってしまった。

 日本のテレビは監視され、泣く子も黙ると言われたCIAは見落さなかった。早速動き砒素の缶を僕の家の水道管へ仕掛けたのだ。
 CIAから二千万円を貰ったと言う二人、お前達CIAの者かと聞けば「水道局の者だ 水道を出しておけば流れるよ 人が死ぬのは嫌だ」と言って立ち去った。
 UFOに乗っている者ならいつもUFOに守られている筈と思っていた。
 水道の水を出しっ放しにして流していたがもう大丈夫と思い使ってしまった失敗であった。砒素は水に溶けた状態では無臭無味で温めれば強い消毒薬の臭いがした。
 一週間後に水道局の者が来て「この家で葬式が有ったか」と平然と僕に聞き「俺の事か」と言ったら黙った。
 水道局の二人は水道管を掘り出し砒素の缶を取り出したので、この缶は他で使われたら死者が出ると思い「その缶を置いて行くように」と言った。
 CIAに金で雇われた水道局の二人は他で使うようだと言って持ち帰ってしまった。 あの缶を強引に取っていたならば他での犠牲者は防げた筈だ。
 市の職員がCIAから金を貰い殺人に手を染める驚いた公僕の居る市は市長の悪度さが浸透しているのだろうか? 
 矢張りCIAは市長にも手を打ち市長のコメントが地方新聞に載った。
『国家安全保障の為なら市民の一人や二人は死ね』と理由も知らずUFOもMIBも知らずアメリカのトップシークレットが何であるかも知らずに言いまくる。
 市長の機嫌を取り調査も批判もせず市長の言った通り書いた地方新聞のレベルは低い。そんな能無し市長は選挙で良識派でない奴と言われ非常識も市長は平気だった。なぜ市民は諸々に非常識な独裁市長に投票するのか馬鹿な市民に腹が立つ。
 僕はその後、体力が急に無くなり走る事などとてもできなくなり階段は二階まで上がるのがやっとであった。

 僕はCIAと砒素の件をUFOグレイに訴えた。
砒素は身体に蓄積し外には出ないと知識にあり心配で砒素を除去して貰いたいと頼んだがグレイは微量だから大丈夫と云い除去して貰えなかった。
しかし、その事情を知ったUFOグレイは次のように約束したのである。
「次からお前に何かあったなら 我々がCIAに報復する」
身を守る保障を取り付け一先ずは良いだろうが矢張り心配、一九七七年頃の事だった。 その後、この一件と関係なく僕の都合で隣の茅野市〝ひばりが丘〟へ転居した。


◎CIAとフリーメイソン

 ひばりが丘では何事もなかったが更に僕は茅野市玉川に家を新築し転居した時の事。 UFO惑星で決定した地球に対する要求はUFOが直接CIAに伝えている。
要求は大きくCIAは回答できない。
 要求にCIAの返事が無いと云いUFOグレイは僕達に方針の変更をいう。「UFOの会を作れ」と名簿を渡され持ち帰った。
名簿用紙はA4ではなくB5で欄外にCIAとあった。UFOが強制的に提出させCIAが信憑性を無くす為、B5サイズにしたのだ。

 僕達は以前からUFOの会を作りたいと申し出たが許可はなくUFOの会はUFOの中で反乱の元になると禁止されていたので『UFOの会を作れ』は驚きだった。
 その名簿は富山県で三百五十人が集まる予定の『UFOの会』発足の案内状に使われる為の名簿であった。
 しかし、CIAは事前に僕の留守に玄関の鍵を開け案内状を回収し同時に名簿も持って行った。 それからは家の周りを注意し仕掛けはないか毎日調べ不測の事態に備えた。
 この事が引き金になり脅迫がまた始まった。
UFOの仲間も受け身のまま抵抗も何もできないUFOの保護に期待するだけだ。

 僕は車が好きで時々諏訪湖周辺へ行き諏訪市と下諏訪町の間の湖畔をドライブしていた時、リムジンが僕の車に近付く、同じ車に今日は何回も行き会う嫌な気分である。
極道の車なら離れたい、窓はスモークであるも前側から車中の人達が僕を睨んでいるのが分り僕を知っている様子でその事をCIAと関連付けて考えなかった。
既にUFOの記憶は消され『UFOやCIA』と言われれば記憶は繋がったのだが・・・
 当日の夜、茅野市の助役がCIAの道案内で我が家にきて「MIBを知っているか」と聞く。
『MAN IN BLACK』の略だ。
 助役の後ろにはCIA(MIB)が二人、信じ難いが本に書いてある通り黒ずくめである。頭の中が真っ白だ! 言葉に詰まり自分らしさはなくなり僕の焦りは見えみえだ。「CIAの中にあるMIB」と助役は本気で説明している。
「UFOの事はMIBが遣る CIAでも特殊な組織だ CIAの中でさえ何を遣っているか秘密にされている リムジンに何回も行き会ったが分ったか 圧力をかける行動だ」この辺からハッキリ記憶が繋がってきた。
 以前から興味でUFOの本は何冊も読み本の内容は本当かその都度UFOグレイに確認し事実である事が記憶にあった。
 CIA(MIB)は十年前の生活状況の調査で僕を驚かせUFOの事は言うなと始まる。
『ふざけるな! 市の助役が何も知らず言われた通りCIAの手先で市民を脅迫しに来るのか』
 助役は「私の言う事を聞いてくれ 私も脅され仕方なかった」と小声で弁解する。
「UFOの事は日米安全保障条約の裏協定で 情報操作するのは仕方ない 言う事を聞かずにいれば止むを得ず〝適正措置〟を執る」と言っている。
助役は適正措置の意味も知らずにCIA(MIB)の指図で言う。
〝適正措置〟とはCIA(MIB)の業界用語で〝殺害〟の事だ。
「お前達 政治結社の裏で何をしているのだ」と脅迫してくる。
 僕は政治結社を主宰しており友人の大藤を幹部にしていたが、宝くじに当たるような稀な偶然で大藤もUFOに乗っていた。
家の中は留守の間に調べられUFOの本は読むなと脅し「〝UFOと宇宙〟の専門誌は絶対読むな」と念を押す。
【この直後『UFOと宇宙』の月刊誌はCIAの圧力で絶版、後継誌『トワイライトゾーン』が出版されたが矢張りCIAの圧力によって絶版となり、その後、後継誌は無い】「UFOを喋ったらCIA極東本部は麻布だ 二時間で来る」と脅した。
「口止めに一億円をやる 口座番号教えろ」 その助役は「道案内で一千万円をCIAから貰ったと僕に教えろと言われた」とその通りに言い「一億円は多すぎる」と言う。
 こちらは命が懸り半生をUFOに操られ今夜のチョイ役の助役に言われたくない。
CIAは一億円を銀行口座に振り込むと言っているが無実の罪で拘束されるかも知れず、更に〝適正措置〟の事も心配になる。
「CIAのエージェントになっても良い」と条件を出した。しかし、CIAは仲間も信用できない組織だと思い考えながら黙っていた。
「世界を動かす陰の政府を知っているか フリーメイソンでも良い」と言う。
「ユダヤの金持ちだけの組織だ」と答えた。
「フリーメイソンは最近サラリーマンも成っている 日本人が何人もいる」「ただの会員では価値が無いから世界を動かす投票の出来る地位のマスター(親方)にしてやる」と誘う。
「フリーメイソンはピラミッド建設の石工が元だ 入会儀式で以前はハンマーで頭を殴っていたが今はハンマーで背中を殴る それに正面から剣で刺す この二つの内一つを選べるが入会式で死ぬ人もいる」
「死んでしまえば元も子もない」と反論すると「儀式は遣らなくても入会させる手続きをCIAが行う」と言っているが・・・・・・僕は頷いただけだった。
「フリーメイソン総会ではサラリーマンの一票は財閥にサラリーマンの年収以上の金額で買われ世界を決議する」と素人が世界を動かす一票を売るとの話をした。
「一票を売らない者は除名され 秘密を守れない者の除名もある」
「総会に一度でも出席しなかった者も除名であり 次回には総会通知はしない」
「フリーメイソン総会の会場を女性と同行し見せた会員も多く除名になっている」
「フリーメイソンと通訳陣や各スタッフ陣が一堂に集まる総会の開催出来る設備のない日本はフリーメイソンの総会は開けない」
「日本の国際感覚は遅れ 今後も日本でフリーメイソン総会を開く予定はない」と言う。「京都に国際会議場がある」と僕が言えば「小さくて駄目だ」と返された。
【現在、その国際会議場は規模的に大きく改修されているが「京都は国際観光地とはいえ周辺の受け入れ態勢が不足になる」とUFOグレイからも聞いた】
CIA(MIB)から「適正措置はUFOがお前を護っているからもうしない」と告げられ「お前の家の二件隣の空き家から お前の家の電話を盗聴する」と言う。
相手はCIAだから阻止する事はできない・・・・・ 勝手にすればよい。
「下諏訪町の東町にも一人いる 先に脅迫してきた」と言い大藤と苗字は同じで名前が違い兄の名前を言ったのだ。
UFOに乗っていた兄は他界し弟が代わって乗った事をCIAは知らない。
「CIAに連絡するならMIBと言え CIAだけでは連絡は取れない」と言い残し助役は帰りCIA(MIB)はロボットのように歩き怖さを演出し街とは逆の方へ行く。

 今夜の事で以前見たメンバー以外入れないフリーメイソンの入会式を思い出した。
UFOから降り僕達が会場へと入って行った処、フリーメイソンメンバーは関係者以外だと騒ぎだしたがUFOからの招待と分かり静かになった。
メンバーの観ている舞台、剣で刺され抱きかかえられての退場が本物か芝居か分らなかった。
ハンマーで背中を殴る事を選んだ人に殴る人が力加減をしてフリーメイソンメンバーからブーイングが起こったが「遣り直しはしない」と放送され静かになった。 
  後日の夜間、僕は自家用車で諏訪湖畔道路を走っていた。
追い越しを駆ける車が反対車線へ出て僕の車と並走し危険を承知でCIAが付きまとう。CIAは後部座席でこちらを睨んでいる。三日前、我が家に来たのにまだ帰らない。
今度はリムジンではなく日本車を使っている。
 何日か前はリムジンが僕の車を無理に追い越しそれが極道の車の嫌がらせだと考えていた。
 今、日本車の後部座席からCIAが身を乗り出してハンドルをきる。僕の車に衝突させようとし驚いた日本人運転手がハンドルを戻す。
運転手は予想外の出来事にCIAに激怒している。車中で喧嘩しているから今回はこれ以上何も起こらない筈、対向車が無くてよかった。
〝平凡な一市民を脅迫しUFOの事実を封印する人達〟それがCIA(MIB)の職務だ。
 直ぐ僕の居場所が分るのは自家用車にGPS装置か他の装置を取り付けたのだろう。
自分で調べても解らず修理工場で調べて貰った処、隠すように送受信装置らしき物が見つかったと連絡が入り「破壊し廃棄してください」と伝えた。

 大藤は後日、僕の家に相談に来て「変な奴が家に来た 外国人がCIAだと言ってきた 道案内の日本人が一人いて下諏訪町役場の総務部長だと言っていた」と言う。
超能力を知っているか聞かれ「超能力は最近 皆が知っている 友人にも教わった」と答え、更にUFOの事を喋って後悔しているみたいだ。
「CIAのエージェントやフリーメイソンに成れと言われたが断った」と言っている。「気持ちが悪い名簿が家にあった 脅されて名簿は捨てた」と落ち着かない様子。
 僕の勤務先へもCIA(MIB)が何回もきて管理職や経営者を脅して帰り僕に圧力をかける行動であるという。
 CIAは僕をしつこく調べ政治結社を突き止め結社名簿に記載ある全員に電話で脅迫し勤務先や自宅へも行き脅迫していた。
 一方的に干渉された会員は「CIAに脅され恐怖だった脱退させてくれ」と電話をよこしたが「今後、二度と無い」と言葉を濁す返事をした。
 CIAのエージェントやフリーメイソンに成れとの誘いも返事は曖昧になり危険のみを感じ口止めの一億円も受け取れない状況になったが良否はまだ分からない。
諸々の危ない橋は渡らず細く長くの思いであったから仕方ない。
多少であってもUFO関連の知識など無かった方が良かったのか? 

 UFOに乗り日本のフリーメイソンを訊いた処「日本の組織は何の権益も無いクラブ的な組織でフリーメイソンを名乗っている お前が入会を言われた組織とは別だ」と云う。
 上位のグレイが僕に「CIAが云う事を聞かない お前が本を出せUFOを書け!」と云 い可也強く命令調に意志を示した。
UFOを書き出版しろと云う激しい感情は今まで見た事はなく報復の意思が伝わってきた。
CIAとUFOのトラブルに終焉はないが『UFOは我々の味方』の概念ができた。
 UFOグレイに云われたのは僕だけなのか?「他の者は?」と訊けば「駄目だ」と云いグレイは「本を書けば幾らになるか分かるか」と聞いた。
「二十年前 UFO搭乗者が本を出版した時 十億円だから十億円だ」と答えた処「百億円だ」と云ったので命が危ないと思い黙ってしまったが今はグローバル企業CEOの年収や米国プロバスケットボール選手の契約金は更なる高額があり珍しくない。

『僕はUFOから記憶を消されて帰されるのだからUFOの本を書く事はできないではないか』と思った。
 そして今、記憶が戻り本を出版したが・・・またUFOに記憶を消されるかも知れない。記憶を消されたらこの本の内容を自分自身が否定する事になる。「UFOを書け 本を出せ」と云ったのだから蘇った僕の記憶は消さない筈、そして本を出版する大分前のことUFOグレイは「これがお前書いた本の一つだ」と云い未来の本を空間に映した。


◎天体の資源
  
  小惑星イトカワから二〇一〇年六月十三日帰還した探査機「はやぶさ」は帰路途中、不明となったがUFOグレイは「地球へ帰還出来るように我々が方向調整した」と云う。 探査機を帰還させるなど簡単な事だ。
 大昔の事宇宙の遊軌道天体をUFOが地球の方向に向けその天体を調整しながら地球の衛星にした。 現在は地球の周りを回っている〝月〟という名称の天体である。
 そんな事は信じられない! しかし、文明が一万年進んでいるUFO、嘘を言うグレイ達ではないが初めて聞く事に平静を装いながら頭の中は混乱していた。
 月に付いて一説の「太平洋が跳ねて飛び出し月が出来た」と言えば「何を言っているか 夜が月 地球に向いた同じ面 諸々の事象 偶然は無い」とグレイは強い調子で怒った。
 天体を動かすだけの科学力、太陽や地球に合わせ月を衛星にして日食や月食も計算した昔のUFOの科学だ。
 何千年前の事か興味があり「いつ頃の事か」と訊けば「地球には古代からの記録がある 壁画の月が描かれた以前の事だ」と云い、それ以上年代の話は聞けなかった。

 古代では大和民族の命は短く三十歳位とグレイから聞いていた。
天体の大変化があっても三十年待たず生まれた子供達の代には月も当たり前になっている。
 僕は子供の頃には既にUFOで月に行き重機が資源を採っていた処を見た。
その月の世界を見た時のバックホーンが印象に強く残っている。
 重機より大きな酸素タンクを乗せ不安定に見えたが倒れない。その重機に付けた酸素タンクは黄色で地球の工事現場で使われる重機の色だ。
他の重機も見たくなり「ブルドーザーは何処にあるか」と聞いた処「必要ない」と云った。
 この月の大地を掘るのは地球の重機でありUFOグレイは「重機など地球の工事現場に置いてある 持ってくるのは簡単だ アメリカ軍の重機もあって一段と大きい」と云う。
 月の裏側で地球の重機を使い資源を採るUFO文明、UFOの惑星はアルミニウムを大量に必要としている。
 あと僅かになった月の裏側の資源、月の表側も資源化し採掘で形の変るクレーターは必ず復元する決まりになっていると云う。
「地球から来る探査機が多くなり画像が送られている 地球からの観測精度も良くなっているが大丈夫なのか」と訊いてみた。「全く問題ない」と云い、一万年の文明差でどうにでも対応出来る自負を感じた。
 UFO文明に重要必需のアルミニュウム資源、地球の文明とは大分異なりUFOの船体を造る圧縮された超大な量が必要になり科学技術は重力制御と共に進歩した。
「月の資源探査は小型UFOを数機連ね一回通過すれば完了する」と云うので「見たい」とお願いした処、数機が連なり円を書きながらの探査を上空から見た。

 UFOが建造した月の設備は中継基地で使っていたが不要になり、その施設をUFOの惑星から個人的な遊び目的で来る人達(グレイ)に開放してあり私的に使う事が多くなったと云う。
 「月で見る地球の姿の報道の写真があったから見たい」とUFOグレイに頼み報道画像と同様に月の大地の向こうに地球が浮かんでいる所を見せてもらった。  
 見たい場所は他にもありアポロ飛行士の活動跡を見たいと頼んだ。
グレイが「駄目だ」と云ったので僕達は「月に居るのに何故駄目なんだ」といつまでも不満を言いワイワイと騒いだ。
 UFOグレイは時間を置き云い直し「これからアポロ宇宙飛行士の活動跡を見せる」と移動し皆で報道写真と同じだと話しながら見た。

 グレイは月を地球の衛星にする二万年前の遊軌道天体の時代に故障で捨てられた他惑星の宇宙船が今も月に残っていると見せた。
「ロケット型の宇宙船内部を調査したが 今の我々より高度な技術は無かった その惑星は既に滅びてしまった」と云う。
 月に構造物があり報道写真で月の写真で丸くなっていた場所、NASAの写真はボカシであったがUFOから見れば人工物と分かり可也大きい。
以前UFOグレイ達が使っていた他の場所の宿泊施設も見せて貰ったが大分壊れていた。

 UFOグレイは以前、他の惑星と月資源の利権争いが起こり他の惑星の宇宙船が利権の奪取目的でグレイ側に武力攻撃を加えた。
 武力紛争で月の建造物が攻撃を受けて破壊され、グレイ側は惑星戦力の動員で反撃し月の利権を守ったと説明している。
UFOの惑星は一定の残骸処理の後で武力紛争啓蒙記念に保存した。
 UFOグレイは僕達に「攻撃された残骸へ降りて見ろ」と指示した。酸素に重力や温度を心配したがUFOが十五分間を限度に保護出来ると説明したので不安を打ち消しUFOから降り残骸の中を歩いた。画像左側の残骸は高さ十八メートルが残り、画像中央から右側の残骸は破壊が酷く六メートル前後の高さで残っている。 


 UFOから「残り時間は五分だ」と伝えられ皆が早足で集まりUFOに乗った。
「残骸は惑星が許可し アポロ二十号と二十一号の宇宙飛行士が動画撮影した」とUFOグレイは云う。(前ページの画像基は動画である)
更に「月には富士山より高い建造物があるが見せる事はできない」と云う。

 
 人間は月が地球に付属し地球の所有物と思っているだろうが宇宙の高度文明を知らない地球、月は地球の衛星にしたUFOの惑星が支配している。
 UFOの惑星は以前土星の衛星の資源を採っていた。その昔から土星の輪は幾つもありUFOは資源の廃棄物を元々あった輪に捨てていた。
岩の輪が相当量でも衛星の形は変らないとの説明だ。
 「土星の輪を見せる」とグレイが云い、土星の近くに来た時に「報道写真で見た土星の輪のねじれも見たい」と頼んだ。
グレイは「その輪は見せない」と見せなかったが「我々が土星のねじれ輪を造った 資源を採っている際に岩等の不要物を輪に捨てながら ねじれ輪状にした」と説明した。
超能力を持ち文明がこれほど進化していても業務に遊び心がある。
 UFOグレイは「メビウスの輪を知っているか」と聞いたので「知っている」と答えたが他の人達はメビウスの輪を知らないと言っていた。
見せなかったのに何故メビウスの輪を聞くのか? ねじれ輪を見られず不満であった。
土星のねじれ輪はメビウスの輪と同じ形状で宇宙の重力歪みにも例えるようだ。
 土星の輪のねじれは地球の探査機が撮った時の報道写真があっただけ、その後、どのマスコミも取り上げる事もなく報道管制されたのかいつしか世界が忘れている。土星の衛星資源が枯渇しUFOは土星グループから撤退し月の資源を採掘している。

 次の時も予告なしに記憶を消された僕達がUFOに乗せられた。僕は予定を知らないが仲間達の中には月に行く事を知っている人もいた。
しかし、僕達は頻繁に月に行ける訳ではなく月に来た時は久しぶりの懐かしい月面と感じるだけの期間がある。
 月に来て見る重機は大型化していた。地球の重機が大型化し地球の重機を使うのだから当然で酸素タンクは古い物を使っている。
 アポロ飛行士が撮った月の写真はその都度報道され同じ場所を見せて貰った。
報道の写真はNASAの機密維持のボカシがあったが現実はぼける訳もなく梯子があった。
 この月には舗装してない道路があり重機の通る道だという。報道写真では月の道路があり見たいと言う前に見せてくれたのである。 

 以前、本で見た三角形のUFOは本当か訊ねた処「本当だ 月の裏の大きな洞窟にあるから見せてやる」と云われ直ぐ見る事が出来た。

三角形のUFOが洞窟状の大きな凹面の中の空間に静止している。稼働中の時を見たかったが一応納得した。
「最近V字型のUFOが本にあった 何処の惑星のUFOか 他の惑星の宇宙船が来ているのか」と訊いた処「我々のUFOだ」と云っていた。

 UFOグレイは「他の惑星が巨大宇宙船団で来て太陽の資源を採取している 太陽の周りには惑星自体を移動させる文明も来ている 地球より大きな宇宙船がある」と云い、天体を自在にUFO速度で移動させる文明に未だ到達できず悔しそうだ。 
 更にグレイは「他の惑星の宇宙船は その惑星で出た放射性物質や諸々の有害廃棄物を太陽へ大量投棄処分している」と云うのだ。
「他に太陽は無数あるのに 何故我々の太陽なのか?」との質問に「他の太陽へも廃棄物投棄はしている」と説明したので納得した。
 太陽へ投棄した放射性物質や有害廃棄物で地球に影響が無ければ地球も太陽に投棄する時代が来るだろうから十万年も保存する放射性廃棄物の心配はなくなる。
 グレイは「太陽の温度は二十八度だ」と云う「そんなに低いわけはない 六千度ある」と言えば「地球で言われているより低く三千℃位だ」と云い直した。
この違いは何故なのか? 以前も確かに二十八度と聞いたことがあり聞き流していたが今改めて聞けば遠近の違いなのか、地球では解り得ない何かがあるのだろうか? 
 グレイは「太陽系に三千八百年周期で公転している惑星があり その惑星には地球で使える資源が沢山ある 八百年前に地球の近くを通り 地球では忘れ去られている」と説明した。

「地球へ帰る『早く地球に着けるな』と指示がある 十五分だ」と云い僕は「もう帰るのか」と思ったが一日の中で諸々すれば時間は直ぐ経過してしまう。と出された。
月と地球の間を十五分で移動する事は僕たちの感覚で「ものすごく速い」であるがUFOでは全く遅いのである。
 地球と月の距離三十八万KのUFO移動は〝〇秒〇〇〇〇一八三〟であるが通常では地球と月の間は光と同等の一秒二八と決められ十五分かけた移動は超スローである。
「十五分はゆっくり過ぎる」とUFOグレイは不満を云いながらもUFOは地球に近づきグレイが僕達人間によく見ておけと云う。
何回も宇宙から地球を見ているから今日は疲れて見たくなかった。 しかし、グレイの云うきつさに見る事にした。
  何度見ても宇宙から地球を見ていると格別にUFOに乗っているとの再認識をする。 青い地球が徐々に大きくなり地球の青さが前面に視野いっぱいに拡がり顔面から後頭部に刺激が走り地球への到着である。

  UFOは地球の昼側から夜側へ移動しUFOに乗っている日本人全員がUFOへ乗った場所や家の近くへ一人ずつ降ろされ帰還が完了するのである。
 二十四時間の強制的であるが楽しさでもあるUFOへの搭乗を解かれ、いつもの通り記憶を消され本人は全く気付かない。
〝UFOの神かくし〟から地球の一市民という普通の人間と同じ生活に何事も無かった如く戻り周りに何を言われようと平然と過ごすのだ。
                                  小松 雅 著